2. α-マンゴスチンのヒト大腸癌細胞(DLD-1)に対する増殖抑制効果
表には現在臨床現場で使用されている制癌剤とα-マンゴスチンのDLD-1細胞の増殖抑制活性(IC50)を示しております。α-マンゴスチンのIC50は7.5±0.3という結果がでておりますので、表に示す制癌剤の中では最も強い活性を有しているというわけではございませんが、現在でも汎用される5-フルオロウラシル(5-FU)とほぼ同等の活性を有していることが伺えます。これは、in vitroの実験系において、α-マンゴスチンが制癌剤としての可能性を充分に秘めていることが示唆された結果です。
次に写真に示すのは、α-マンゴスチンおよび5-FUを同濃度(20μM)で添加したDLD-1細胞の写真です(ヘキスト33342核染色)。いずれの場合も、癌細胞が死滅しつつあることが伺えますが、異なる作用機序で死滅している可能性が示唆されます。
そして、α-マンゴスチンによるDLD-1細胞増殖抑制に関するグラフを示しました。α-マンゴスチンが濃度依存的に効果を発現していることが左のグラフから明らかとなっております。また、右のグラフはα-マンゴスチン添加後、経時的な生存細胞数をカウントした実験結果ですが、経時的に細胞が死滅していることが観察されています。